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    映画「NINE」について

    映画「NINE」は2009年に公開されたアメリカのミュージカル映画です。フェディリコ・フェリーニ監督による自伝的映画「8 1/2」をミュージカル化し、トニー賞を受賞した同名ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品です。監督を務めたのはロブ・マーシャルで、彼にとっては3作目の映画作品となっています。マーシャルの映画監督デビュー作でアカデミー作品賞を受賞した「シカゴ」に続くミュージカル映画で、主要なキャストも再結集しています。主人公の映画監督・グイドを演じるのは、アカデミー賞を2度受賞した名優ダニエル・デイ=ルイスです。そのほか主人公を取り巻く女性たちをマリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ニコール・キッドマン、ケイト・ハドソン、ジュディ・デンチ、ソフィア・ローレンらアカデミー賞受賞経験のある豪華女優陣が演じ、グラミー賞受賞歌手であるファーギーことステイシー・ファーガソンも女優として本格的に出演するなどし、話題となった作品です。日本では2010年3月に公開されました。

    ストーリー

    映画監督のグイドは、新作映画「イタリア」の制作進行に行き詰まってしまいました。脚本は一行も進んでおらず、決まっているのはタイトルと主演女優だけ。そんな状態のまま記者会見に挑まされたグイドは、追い詰められ会見場から逃げ出してしまいます。海沿いのホテルに逃亡したグイドは、愛人のカルラを呼び寄せ、苦しみを癒して貰おうとしますが、プロデューサーに見つかってしまいます。プロデューサーは映画のために作られた巨大なセットまでつれてきていて、グイドは逃亡先で映画を撮る羽目に。そこへ妻のルイザまでやってきてカルラと鉢合わせしてしまいます。映画の事と家庭の事で悩むグイドの前に、昔愛した女性たちが次々と幻影となって現れます。愛を歌い踊る女性たちは、時に彼を励まし、時にしかってグイドを翻弄します。そんな夫の猟色趣味と仕事一徹ぶりに愛想を尽かしたルイザは、グイドに別れを告げ、彼の元を去っていきます。心の支えとなっていたルイザを失ったグイドは、彼女無しに新しい映画の制作など不可能だと思い知り、仲間たちに「イタリア」撮影の中止を告げ、映画界を去ります。しかし二年後、抜け殻のようになったグイドのもとにかつての仲間だった衣装デザイナーのリリーが新作撮影の話をもってきます。その映画はかつての彼の映画のように莫大な制作費も、巨大なセットもない小さな映画でした。グイドはリリーの誘いを受け、再び映画監督としてメガホンを取るのでした。

    キャスト

    • ダニエル・デイ=ルイス・・・スランプに陥った映画監督、グイド・コンティニ役。
    • マリオン・コティヤール・・・グイドの妻、ルイザ役。
    • ペネロペ・クルス・・・グイドの愛人、カルラ役。
    • ニコール・キッドマン・・・女優・クラウディア役。グイドのミューズでもある。
    • ケイト・ハドソン・・・ファッション雑誌の記者、ステファニー役。映画のオリジナルキャラクター。
    • ジュディ・デンチ・・・衣装デザイナーのリリー役。
    • ソフィア・ローレン・・・グイドの母親役。
    • ステイシー・ファーガソン・・・砂浜の娼婦、サラギーナ役。グイドの初めての相手。

    スタッフ

    • 監督・・・ロブ・マーシャル
    • 脚本・・・アンソニー・ミンゲラ、マイケル・トルキン
    • 原作・・・アーサー・コピット
    • 製作・・・ハーヴェイ・ワインスタイン、マーク・プラット、ジョン・デルーカ、ロブ・マーシャル、モーリー・イェストン
    • 製作総指揮・・・ライアン・カヴァノー、タッカー・トゥーリー、ボブ・ワインスタイン、ケリー・カーマイケル、マイケル・ドライヤー
    • 音楽・・・モーリー・イェンストン
    • 撮影・・・ディオン・ビーブ
    • 編集・・・クレア・シンプソン、ワイアット・スミス
    • 製作会社・・・レラティビティ・メディア、ルッカマー・プロダクションズ

    撮影裏話

    この映画は2007年に製作が発表されました。撮影は2008年10月10日にロンドンでクランクインし、2009年1月30日にクランクアップしました。当初クランクインは2008年3月の予定でしたが、WGAストライキの影響で、製作が一時延期されました。マイケル・トンキンによる最初の脚本をアンソニー・ミンゲラがリライトするはずだったのですが、ストライキによりリライト作業が出来ない状態になったためです。ミンゲラは、この脚本のリライト途中で亡くなったため、この作品が遺稿となりました。グイド役は、ハビエル・バルデムが演じる予定でしたが、2008年5月より1年間の休業に入るため降板しました。ストライキの影響で製作延期したことによるもので、当初の予定通りのクランクインであれば撮影できるはずでした。また、クラウディア役はロブ・マーシャルのミュージカル映画の前作「シカゴ」に出演し、アカデミー賞を手にしたキャサリン・ゼタ=ジョーンズがマーシャルと再タッグを組む予定でしたが、役どころの小ささが気に入らず、降板しました。ゼタ=ジョーンズの代役として出演が決まったニコール・キッドマンは自身が主演した大ヒット作「ムーラン・ルージュ」以来のミュージカル映画出演でした。また、ニコールは2008年7月に第一子を出産していて、出産後初めての映画出演となっています。ケイト・ハドソンが演じたファッション雑誌「ヴォーグ」の記者ステファニー役は、映画オリジナルのキャラクターで、彼女のシーンのために、オリジナル舞台で作詞・作曲を担当したモーリー・イェストンが新たに劇中局を書き下ろしています。また、他のキャラクターのシーンでも書き下ろし曲があり、全部で3曲が映画オリジナル曲として追加されています。

    監督について

    本作で監督を務めたロブ・マーシャルはアメリカ合衆国ウィスコンシン州マディソン出身の映画監督です。もともとは舞台の振付師で、1982年にカーネギー・メロン大学を卒業後、ブロードウェイで活動を始めました。1993年に「蜘蛛女のキス」のミュージカル版で、1994年には「くたばれヤンキース」で、1998年に「She Loves Me」で、そして1999年にはボブ・フォッシーの「キャバレー」と「Little Me」で、それぞれトニー賞最優秀振り付け賞にノミネートされています。自他共に認めるボブ・フォッシーのファンで、かねてから構想を練ってきた彼の代表作「シカゴ」を2002年に映画化しました。この作品では振り付けも担当い、2003年アカデミー賞では最優秀助演女優賞、最優秀美術賞、最優秀衣装賞、最優秀編集賞、最優秀音響賞、最優秀作品賞の6部門でオスカーを獲得しました。第3作目の監督作品である「SAYURI」でも舞踊の振り付けを担当しています。また近年では、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの4作目の監督を務めたことでも注目を集めています。

    監督作品

    • 1999年「アニー」(テレビ映画)
    • 2002年「シカゴ」
    • 2005年「SAYURI」
    • 2009年「NINE」
    • 2011年「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」

    感想

    ロブ・マーシャル監督といえば、やはり「シカゴ」ですよね。私も大好きな映画で、何度観ても楽しい映画です。レニー・ゼルウィガーがとてもキュートなんですよね。「ブリジット・ジョーンズの日記」と同一人物とは思えないかわいさです。「ブリジット~」と同時期の撮影だったので、太ったり痩せたりしなければならずに大変苦労したそうです。女優魂ですね。「NINE」も「シカゴ」もそうですが、さすがもと振付師というべきか、やはりダンスシーンは見ごたえがあります。「シカゴ」でのキャサリン・ゼタ=ジョーンズの歌と踊りは大迫力です。「NINE」ではやはり、歌手であるファーギーのシーンが圧巻でした。他の出演者の歌もかっこいいのですが、ファーギーのシーンは群を抜いて素晴らしかったですね。椅子を使ったセクシーなダンスと歌は鳥肌モノでした。「NINE」はストーリーが単純明快なので、映画が好きな人には少し物足りないかも知れません。しかしミュージカル好きにとってはこれほどわくわくする映画はないのではないかと思います。ジュディ・デンチの歌声が聴けるというのも魅力の一つですね。「007」シリーズのM役でも知られる大女優ですが、歌を歌っているところを観たのはこれが初めてでした。この人歌えたんだ!とびっくりした想い出があります。全体を通してこの映画は、映画を観ているというよりもショーを観ている感じに近いと思います。豪華絢爛な衣装と迫力のパフォーマンスを楽しむ映画です。作中でグイドが作りたかった映画はまさにこんな映画だったんじゃないかなと思いました。